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2005.08.10 再編集

第257回高知県議会 議事録抜粋 
(平成12年 9月 29日)

◆ 12番(植田壮一郎君) おはようございます。いよいよ二十一世紀まで、今世紀最後の九月定例議会となり、ミレニアムといった節目の議会に、自由民主党の代表として質問戦の先陣を務める機会をいただきましたことは、大変光栄に存じます。
 去る九月十八日には、熱心な県民や企業の皆さんの御努力によりまして、産学官連携のもと「高知エコデザイン協議会」が発足しました。このような産学官の連携による推進機関は世界でも初めてだと言われており、記念講演をいただいた東京大学教授の山本良一先生は、土佐勤皇党ができたときよりもインパクトがあると絶賛しております。発足した協議会では、エコデザインの実践を通じ、可能な限りの環境負荷の低減と産業の活性化や県民生活の向上など高知県の活性化と両立しながら、持続可能な社会の実現を目的に積極的に取り組もうとの組織であります。
 そこで、今回当協議会の名誉会長にも就任された知事は、協議会の発足に当たりどのような感想を持たれたか、また今後こうした動きに対して県としてどのように取り組みを進めていくのか、その御所見をお伺いします。

◎ 知事(橋本大二郎君)  植田議員の御質問にお答えをいたします。
 次に、エコデザインに関する御質問がございました。エコデザインと申しますのは、資源とエネルギーの消費や環境への負荷を大幅に減らしながら一定の経済成長を実現しようとする取り組みでございまして、高知エコデザイン協議会は、環境に配慮した製品やサービスを広く普及することを目的としております。このたび民間の主導でこのようなエコデザインの推進機関が全国に先駆けて本県で設立されましたことは、環境に配慮した持続可能な社会の実現を目指します上で、とても意義深いことだと思います。
 また、今後協議会の活動を進めてまいります上でかぎとなりますのは、環境に配慮した製品やサービスをいかに市場に結びつけていくかでございますが、そのためには三つの課題があると受けとめております。そのまず一つ目は、環境への配慮を単にイメージとして訴えるのではなく、技術的にきちんと評価することでございます。また、リサイクル製品など環境に配慮した製品は、従来の製品に比べましてコストの高い場合が多いですので、いかにしてコストを下げるかが二つ目の課題でございます。そして三つ目の課題は、従来の製品とのコストの差が一定の割合におさまった場合に、こうした環境に配慮した製品を公的機関がいかに積極的に使っていくかだと思います。
 こうしたことから、協議会に対しましては、企業、消費者、大学、行政などのネットワークを生かしまして、技術面での評価体制の整備やコストダウンのための技術開発の推進を期待しております。また、来年四月からは、環境物品調達推進法の施行に伴いまして、国の機関では環境に配慮しました製品を一定の割合調達することが明確な目標として掲げられますし、地方自治体でも一定の努力が求められてまいります。こうしたグリーン調達の取り組みを県といたしましても積極的に推進することによりまして、エコデザイン協議会の活動を支援してまいりたいと思います。

第264回高知県議会 議事録抜粋 
(平成13年 12月 13日)

◆ 27番(黒岩正好君) 清流会・公明を代表して、知事並びに関係部長に質問をいたします。
次に、環境問題について、さまざまな視点からお伺いをします。
初めに、グリーン購入について知事にお伺いをします。平成9年に県の環境基本計画がまとめられ、平成10年には環境保全率先行動計画が作成され、グリーン購入の計画が示されてきております。そして、平成12年には循環型社会形成基本法等が制定され、循環型経済社会の構築に向けて動き出しました。その中で、本県は全国に先駆けてグリーン購入の意識を高めてきております。知事も本年9月に、幕張メッセで「高知県グリーン購入基本方針」とのタイトルで講演をしております。その講演の中で知事は、ISO14001認証を通して県職員全体の環境問題への意識の徹底、そして新しい商品づくりが進むことによりビジネスチャンスが拡大し、地域の産業振興につながっていく、さらには環境商品のコストの壁に対する技術革新や工夫、需要の拡大、そして行政の支えの必要性を強調されております。
 そこでお伺いしますが、高知エコデザイン協議会所属の5社が循環型社会を意識し製品環境宣言を取得しており、今後も製品環境宣言を取得する企業がふえてくると思われますが、今後県としてどのような支援を考えているのか。また、本県は、グリーン調達品目を政府の101品目に対して103品目としております。今後、製品環境宣言を取得した県内企業の製品をグリーン調達品目として指定していく考えはあるのか、さらに今後の課題も含めてお伺いをします。
 次に、環境保全についてお伺いをします。水資源も、最近は貴重な資源として有効活用をする傾向になってきています。環境への配慮からも排水の処理も高度になり、中水としての利用も年々多くなってきている現状にあります。エコデザインの第一人者の山本東京大学教授の著書「戦略環境経営 エコデザイン ベストプラクティス100」には、全国の企業の中で完全オゾン処理型循環ろ過機について、省水でファクター30、燃費でファクター4の評価をするなど、技術進歩が見られています。
 さて、平成9年9月議会でも環境に配慮した水の利用について一定の議論がされております。その際知事は、「水は環境産業の分野で大きなテーマであるので、さまざまな研究成果を知的所有権として産業の振興のために有効に利用できるよう取り組んでいきたい」と答弁をされております。本年2月には、高知市の企業の製品が愛知県のエコデザインの思想を生かした施設づくりに貢献との新聞記事が掲載をされていました。この特別養護老人ホームは、環境保全、省資源対策を積極的に取り入れたことで脚光を浴びた施設で、同社の完全オゾン処理システムが浴槽水の循環及び中水再利用に採用されたとの内容でした。
 本県は地場産業の育成支援事業を進めていますが、総合的な観点から見たこのようなエコデザインに基づいた施設の導入など、どのような検討がなされているのか、知事にお伺いをいたします。

◎  知事(橋本大二郎君) 黒岩議員の御質問にお答えをいたします。
 続いて、エコデザインの活用などについてお尋ねがございました。グリーン購入が進みます中で、環境に配慮した製品を積極的に導入いたしますためには、先ほどお答えいたしました技術的な評価と並びまして、コストをどれだけ下げられるかといった課題がございます。そのため、コストダウンを目指しました技術開発の取り組みを積極的に支援しております。また、従来の製品とのコストの差を一定の幅に圧縮できました場合には、こうした環境に配慮した製品を公的機関が試験的に導入して販売実績をつくりますことで、県内企業を支援していくことも必要ではないかと思います。また、そのためには県民の皆様の御理解も必要でございますので、エコデザインの考え方の県民に向けましての普及と啓発も進めていきたいと考えております。
 こうした取り組みの積み重ねによりましてエコデザインがさまざまな分野に広がり、それが地場産業の育成にもつながっていきますことを願っております。
 私からは以上でございます。

※ 健康福祉部長(松岡寿子)、 教育長(大崎博澄)の答弁省略

第269回高知県議会 議事録抜粋 
(平成14年 9月 30日)

◆ 27番(黒岩正好君) おはようございます。それでは、知事並びに関係部局長に質問をいたします。
 さて、平成13年の県製造品出荷額が6,000億円を下回ったとの工業統計が発表されています。県勢浮揚には欠かせない分野であるだけに、企業誘致と新産業の育成を図っていかなければなりません。また、その一方で、これからの時代は21世紀の循環型社会構築、グリーンエコノミーの実現を目指し、高知県らしい、環境に優しい製品づくりに力点を置くことも重要な視点ではないかと思います。その中で、全国で初めて産学官民が一体となって推進している高知エコデザイン協議会の取り組みは、これからの時代を先取りした取り組みとして全国的に注目をされ、期待をされています。本県としてもこれらの取り組みに対して、商工労働部は県の産業振興を推進していく上で年間約5,000万円の補助金を出されています。
 ところが、平成13年度の高知県環境白書では、こうした環境に配慮した産業振興策等の報告が欠落をしております。21世紀の循環型社会の構築にはグリーン・プロダクティビティー、いわゆる環境保全と産業育成の同時推進が不可欠であり、政府の21世紀「環の国」づくり会議では、環境省と経済産業省を中心として各官庁との連携がなされています。本県のこうした実態は、縦割り行政のゆえなのか、それとも環境政策における県の総合戦略に位置づけられていないのかと言わざるを得ません。文化環境部長の見解を伺います。
 先般、今の地球環境に危機感を持った高知県下の議員有志ら53名が集い、同僚である浜田英宏県議が会長となって、高知エコデザイン地方議員連盟協議会が全国で初めて発足しました。その趣旨は、高知エコデザイン協議会と連携し、可能な限りの環境負荷の低減に配慮した産業の活性化や県民生活の向上などを進め、高知県が全国に先駆けて21世紀の循環型社会のモデルをつくり上げようとするものです。このような取り組みに対して、知事の所見をお伺いいたします。

◎ 知事(橋本大二郎君) 黒岩議員の御質問にお答えをいたします。
 次に、環境教育の重要性とともに、すべての政策に環境の視点をとのお尋ねがございました。黒岩議員の御指摘のとおり、持続可能な社会をつくってまいりますことは、これから国や県を挙げて取り組んでいくべき課題でございますので、県でも循環型社会の先進地域を目指しますことを中期的な視点からの重要課題の一つに位置づけております。その中でも環境教育は重要な課題でございますので、教育委員会との連携を強化いたしまして効果的な取り組みを進めていきたいと思います。あわせまして、生活から産業に至りますまで活動のあらゆる面を環境という視点から見直していかなければいけませんので、例えば今後公共事業を担当する部局でも、現在の事業のうち一定の割合を循環型社会に沿った手法に変えていくといった目標を持って、事業を進めていきたいと考えております。
 また、グリーン購入の品目をふやしていくことによりまして、こうした分野の需要を掘り起こしますとともに、マーケットを拡大していくための支援をしてまいります。こうした取り組みを重ねることによりまして、高知県が循環型社会の先進地域だと胸を張れますよう努めてまいります。
 次に、高知エコデザイン地方議員連盟協議会の取り組みについてお尋ねがございました。県内の議員の有志の方々が、政党や会派にとらわれずに21世紀の循環型社会のモデルづくりを目指しました協議会を結成されましたことは、大変心強いことでございます。今後、高知エコデザイン協議会などとの連携によりまして、本県ならではの先進的な取り組みが全国に向けて発信されますことを大いに期待しております。


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