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 「愛・地球博覧」視察報告

2005.07.27 up



「愛・地球博覧」視察報告

                     財団法人 高知県産業振興センター
                     プロジエクト・マネージャー 鈴木朝夫

実施日:平成17年6月23日(木)〜6月25日(土)


(3)安全で、心地よく、清潔な万博会場・・・

 会場の入り口では持ち物の中身を検めることから始まる。「ペットボトル」を持 っていませんかと聞かれる。安全と秩序維持のためとの名目での持ち込み禁止物 として、お弁当や飲み物が話題になった。その検問作業や整理誘導の担当者の多 いことにまず驚かされる。

 交番に相当する警備ボックスは各ゾーンや各コモンに配置されており、診療 所・応急手当所、ケアセンター・ベビーセンターなどの安心の拠点も適正にちり ばめられている。障害者・高齢者用のハートフルカーが決まったルートを走り、 時には可愛らしい救急車もサイレンを鳴らして走ってくる。このほかに気を付け たわけでもなく、気が付いたことでもないが、おそらく監視カメラは勿論のこ と、各種警報装置・安全装置が配備されているはずだ。AED(自動体外式除細動 器)は随所に設置してある。これだけ空間的、時間的な密度の濃さでの備えがあ れば、どこの町でも安全・安心の町になれると感じた。安全には沢山の人手がい ることが分かった。

 案内マルチスタッフや会場アテンダントと呼ばれるサービス係が常に会場内を巡 回をしている。とても親切であり、丁寧であり、居心地が良い。各パビリオンの 担当者や誘導係などのホスピタリチィは行き届いている。昼食はドイツ館のレス トランに並んだ。ドイツ語での誘導は見事である。割り込みを絶対に許さないと いったドイツらしさを発揮していた。各パビリオンでも、列を作る秩序がきちん と守られている。誘導がしっかりしているのである。いらいらせずに安心できる 会場にするためには毅然たる態度が必要である。

  人気の高いパビリオンへの入場の長い列は致し方ない。しかしここで一言。女性にとってのトイレの行列は気の毒である。男女共同参画社会とは、トイレの面積を同じにすることでもなく、便器の数を同じにすることでもない。 待ち時間を同じにすることでなければならない。この点が唯一気になったことである。

ゴミ箱ステーションが各所にあるが、必ず係員が付きっきりで、残飯類、お 箸、容器、包装、ペットボトル等と分別を丁寧に指示してくれる。そしてゴミ箱 から溢れ出ることなく、一杯になる前に収集している。清潔に保ち、リサイクル を効果的に行うためには、多くの人手が必要となることを示している。ゴミ分別 を人海戦術に頼ることが、本当に環境に負荷を与えないことなのかと疑問に思え た。

名古屋に住む妹夫婦と会場で合流すると、10時からのトヨタ館の整理券を取って くれていた。ここは無理と思っていただけに、感謝感激である。携帯電話がなけ れば会場内で効率的に出会えることは出来なかっただろう。トヨタ館を見ての感 想は整理券を取るために順番待ちをしてくれるロボットが欲しいと思ったことで ある。皆が持ったらどうなるのだろうか。

それにしても、安全で、親切で、居心地よく、そして清潔に保つことはともか く人手の要ることである。そして、質の高い人材の選択と相当に念入りなトレー ニングが行われたに違いない。愛知県は人手不足と聞く。景気回復の先兵的な地 域であること、万博に人を取られていることなどが原因と聞いている。万博の要 員の年齢構成は、若者から年配者まで幅広いと思われる。接客で良く訓練された 人材を待っている企業も多いのだろう。(鈴木朝夫)


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